「有料職業紹介事業」とは

「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすることをいいます。

「有料職業紹介事業」とは、職業紹介に関し手数料や報酬を受けて行う職業紹介事業のことをいい、厚生労働大臣の許可を受けて行うことができます。

手数料や報酬を受け取って職業紹介を行う有料職業紹介事業は、いわゆる中間搾取を防止するため、かつては原則として禁止されていました。

しかし、様々な求人・求職のニーズに応えるといった必要があるため、現在では、厚生労働大臣の許可を受ければ、民間事業者でも職業紹介を行うことができます。

有料職業紹介事業の許可を得て、職業紹介事業を行うには、以下の許可基準を満たす必要があります。

資産に関する要件

有料職業紹介事業の許可を検討する場合は、第一に、この資産要件をクリアする必要があります。直近の決算において、以下の2つの要件を満たす必要があります。

① 基準資産額(※1)≧500万円×事業所数
② 自己名義の現金・預金の額≧150万円+60万円×(事業所数-1)

(※1) 基準資産額:資産総額-負債総額-繰延資産-営業権(のれん)

①は、1事業所につき、基準資産額が500万円以上なければなりません。
②は、会社名義の現金預金が1事業所につき150万円以上なければなりません。

なお、法人設立後、決算期を迎えていない場合は、資産要件は資本金のみで判断します。

事業所の要件

有料職業紹介事業を行う事業所は、以下の要件をすべて満たす必要があります。

事業で使用し得る面積が20㎡以上あること(※2)。
②使用目的が事務所であること。
③事業所の独立性が保たれていること。
④個人的秘密を保持し得る構造であること。
⑤風俗営業が密集する等事業の運営に好ましくない場所にないこと。
(※2)現在は、要件が緩和され、面積が20㎡以上あることは必ずしも必要とされていません。

なお、実務においては、許可申請後に、労働局による事業所の実地調査が行われます。職業紹介責任者の席、鍵付きキャビネット、研修・面談スペース、社名表示があるか等を確認されます。

代表者及び役員の要件

代表者及び役員は、以下の要件をすべて満たす必要があります。

①職業安定法32条に掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと(※3)。
②貸金業や質屋営業を営む場合は、適正な登録や許可を受けていること。
③風俗営業など職業紹介事業にふさわしくない営業を行っていないこと。
④外国人の場合は、在留資格に問題のないこと等。

職業紹介責任者の要件

職業紹介会社は、事業所ごとに専属の職業紹介責任者を選任しなければなりません。「職業紹介責任者」とは、職業紹介事業を行うための実務責任者のことです。

許可申請にあたっては、あらかじめ、職業紹介責任者を決めておく必要があります。また、職業紹介責任者になるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

①職業安定法32条に掲げる欠格自由に該当しないこと。
②3年以上の職業経験があること。
③職業紹介責任者講習を受講すること。
④職業紹介責任者として業務に専念できること。

その他の要件

・個人情報管理体制に関する要件
「個人情報管理規程」を定めて、個人情報を適正に管理する必要があります。

・業務運営に関する要件
「業務の運営に関する規程」を作成し、適正に運営しなければなりません。

・手数料に関する要件
職業紹介事業では、適法な手数料以外はいかなる名目の金品も徴収してはいけません。また、手数料は徴収する金額を明らかにした「手数料表」に基づいて徴収しなければなりません。

有料職業紹介事業申請費用

新規申請 200,000円(税別)
更新申請 110,000円(税別)
(法定費用) ※労働局へ納める費用
新規申請時 許可手数料:50,000円(事業所が2つ以上の場合、1つ増加毎に+18,000円)
登録免許税:90,000円
(事業所が2つ以上の場合、1つ増加毎に+90,000円)
更新時更新手数料:18,000円(事業所が2つ以上の場合、1つ増加毎に+18,000円)

有料職業紹介事業を開業したい方にとって、許可取得までの総額費用が一番気になるところではないでしょうか?

当事務所では、有料職業紹介事業許可取得のためのご相談、申請要件確認、申請書類の作成、添付書類の取寄せ、申請代行、ご依頼者が最も楽なフルサポート制を採用しています。

報酬に関しても、原則必要経費全て込みの料金(各種証明書取得・郵送料・交通費等込)ですので、依頼前に費用の総額が分かりやすいと大好評を頂いています。後から、証明書実費を〇〇円お支払いくださいってことはありません。

※収入印紙は郵便局で購入。 ※登録免許税は、郵便局・銀行等で納付。

許可有効期間

有料職業紹介事業新規については3年、更新については5年
無料職業紹介事業新規、更新ともに5年